【孝女千代】-(10)
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「どなたですか。おや、お武家さま、これは何事で。」
「こりゃ千代、そちは評判の孝行者と聞いて参ったが、じいさん、ばあさんには、粟飯を喰わせ、自分は白い飯を喰うとは何事じゃ、こりゃ、その飯を見せい。」
役人が近寄ってよく見ると、何としたことでしょう。まっ白い飯と思っていたのは、味のついていないおからでした。
「千代、許してくれ。わしがそちを疑ったのは、あやまちであった。」
と、役人は言いました。
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