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何を見たと思いますか。 おじいさん、おばあさんは、いろりの火にあたり、千代は、ふとんの中にもぐりこんで暖かそうに寝ていたのです。
巳の吉は、「アッ」と、思わず声を出すところでした。平作の言ったとおりです。 巳の吉は、少しでも早く村の人達に知らせようと思いましたが、足がしびれて立てませんでした。
仕方なく、また、じーっとのぞいていると、やがて、千代がごそごそと、ふとんの中から出て来て、 「おじいさん、おばあさん、ふとんがあったまりましたよ。さあ、早うおやすみなっせ。今夜は冷えますよ。」
そう言って、おじいさん、おばあさんに、ふとんをかけてやるのです。
巳の吉は驚き、ころげるようにして村に帰り、そのことを、みんなに話して聞かせました。 |
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