○津奈木町土木工事仕様書

目次

第1章 総則(第1条―第12条)

第2章 材料

第1節 通則(第13条)

第2節 木材(第14条・第15条)

第3節 管類(第16条―第18条)

第4節 石材(第19条―第26条)

第5節 そだ類(第27条―第29条)

第6節 コンクリート用材料(第30条―第36条)

第7節 鋼材及び金属製品(第37条―第40条)

第8節 舗装用材料(第41条―第46条)

第9節 その他の材料(第47条―第49条)

第3章 施工

第1節 土工(第50条―第56条)

第2節 床堀工(第57条―第60条)

第3節 基礎工(第61条―第64条)

第4節 石積・石張(第65条・第66条)

第5節 コンクリート工(第67条―第95条)

第6節 コンクリート舗装工(第96条―第104条)

第7節 アスファルト舗装工(第105条―第113条)

第8節 根固工(第114条―第121条)

第9節 法おおい工(第122条)

第10節 ずい道工(第123条―第125条)

第11節 橋りょう工(第126条―第129条)

第12節 えん堤及び床留工(第130条・第131条)

第13節 港湾工(第132条―第136条)

第1章 総則

(適用範囲)

第1条 町で施行する一般土木工事は、特に指定するものを除き、すべてこの仕様書によるものとする。

(仕様書取扱いの疑義の処置)

第2条 この仕様書の解釈に疑義を生じた場合は、すべて町の判定するところによるものとする。

(寸法の定義)

第3条 設計書、図面及び仕様書に表示してある寸法は、すべて仕上り寸法とする。

(工事着手)

第4条 工事着手の際は、設計、図面及び仕様書に基づき丁張を施し、また順序工法等に付あらかじめ監督員に申出で検査を受け承認を得た後施工しなければならない。

(測量杭及やり型)

第5条 測量杭及びやり型は、移動しない様常に保護しなければならない。施行上移動又は撤去の必要を生じたときは、あらかじめ指示を受けなければならない。

(保安設備その他)

第6条 工事施行中は、水利、交通その他に支障を及ぼさないよう標識点灯等相等の設備をなし、特に危険のおそれある箇所は、番人を置くものとする。また爆薬使用の場合は、法規に従い充分な保安設備を行わなければならない。

(既設建造物の保護)

第7条 工事施行中は、地上及び地下の既設建造物に支障を及ぼさないよう相当の防護工を施し、もし既設建造物に損傷を及ぼし、又は便宜上取り壊したときは、指定の期日内に復旧しなければならない。

(現場発生品の処分)

第8条 支給品の荷造材料(セメント袋等)及び現場発生品(鉄筋、木材、石材等)の処分については、指示に従うものとする。

(請負者の負担)

第9条 次の各号に要する費用は、請負者の負担とする。

(1) 軽易な事項であり、設計図書又は仕様書に示されないもので工事施工上欠くことのできない材料及び作業の費用

(2) 工事上支障となるもの又は工事により生じた不用物品の取片付けに要する費用

(3) 各種試験、検査に伴う負担及び必要な写真撮影等に要する費用

(4) 工事施工中他に及ぼしたる損害及び就労者又はその他の死傷者に対する補償

(5) 工事現場標示及び保安設備その他本仕様により特に要する費用

(埋戻し、跡片付け等)

第10条 工事の埋戻し、跡片付けは竣工期限内に、現場引揚げは検査終了後に行わなければならない。

(工事標示)

第11条 工事現場には、工事名、工期、工事施行者及び請負者住所氏名等を明記した標識を設置しなければならない。

(工事写真)

第12条 工事写真として床堀完了の際その他必要に応じ工事中写真(水中又は地下に埋没する構造物等完成後外面から明視することができないものの形状、寸法等が判明する写真及び台風その他により被災のおそれのある場合及び竣工写真を添付しなければならない。

第2章 材料

第1節 通則

(材料検査)

第13条 工事材料は、使用に先立ち所定の規格により検査を受け、不合格品は、直ちに現場より搬出しなければならない。

第2節 木材

(木材の品質)

第14条 木材は、特に指定したもののほか、充分乾燥し(基礎工又は水中、土中用材を除く。)用途に適する強度をもったもので、直なものかつその品質が良好で大節、死節、割目、腐朽、入皮、虫穴等の欠点がないものでなければならない。特に等品の指定がないものは、日本農林規格の2等品以上を使用しなければならない。

(材種)

第15条 材種は、次のとおりとする。

(1) 特に指定する場合のほか、丸太材は、皮を除き長さに対し直解な末口の平画を計った寸法とし、断面がだ円のものは、長短の径を平均した寸法とし、短径は長径の9割以上でなければならない。ただし、屈曲の度合が心墨をはずれないものは、承認することがある。

(2) 角材は、断面4のすみがすべて直角のひき材でなければならない。

2等品の1角のみの丸身を有する場合は、周辺の15パーセント以内で四角に丸身を有する場合は、周辺の30パーセント以内でなければならない。

そま角材(通称押角材)は、1角の丸身が最小辺の30パーセント以内でなければならない。

(3) 板材は、ゆがみのないものでなければならない。ただし、その2すみにおいて厚さの2割以内の丸身をもつものは、承認することがある。

第3節 管類

(陶管)

第16条 陶管は、JISA1201.1202に規定するもので素質繋密、火度充分ゆきわたり、実用的にして特に指定するもののほか、真直で、かつ、正円で、ひび割れ又は傷のないものでなければならない。

(鉄筋コンクリート管)

第17条 鉄筋コンクリート管は、JISA5302に規定するもので真直ぐかつ正円で、ひび割れ又は傷のない水密性のものでなければならない。

(遠心力鉄筋コンクリート管)

第18条 遠心力鉄筋コンクリート管は、JISA5303に規定するもので真直ぐかつ正円で、ひび割れ又は傷のない水密性のもので、特に指定されない限り普通管を使用するものとする。

第4節 石材

(石材の品質)

第19条 石材は、用途に適する強度を有し、風化又は凍結に堪え、分子緻密で靱性に富み、裂目気孔その他欠点のないものでなければならない。

(切石)

第20条 切石は、すべて各面にくぼみのないものでなければならない。

(間知石)

第21条 間知石は、JISA5003に規定するもので、面の形状、控長、友面及び合端のすべてに制限のある築石をいい、友面は面の16分の1以上、控長は面の平均1稜辺の1.5倍以上でなければならない。

(割石)

第22条 割石は、JISA5003に規定するもので全面割肌を有し、面の2辺の交角は直角で、かつ、控長及び合端に制限を有し、面の辺長は控長の3分の2内外でしかも短辺の長さは長辺の長さの3分の2内外であることを要し、扣の部分が急激に細くないものでなければならない。

(雑割石)

第23条 雑割石は、割石に比し稍粗雑なもので面の2辺の交角は直角に近く、合端は毛抜き合端とならない程度の割石とし、その他は割石に準ずるものでなければならない。

(野面石)

第24条 野面石は、人工を加えないまま天然に産するもので、りょう線の明らかでない築石とし、形状の悪いものは玄翁払をしなければならない。

(雑石)

第25条 雑石は、野面石を玄翁払いした程度の築石又は雑割石に比して粗雑な割石で使用に適するよう石拵へなければならない。

(栗石)

第26条 栗石は、天然石又は砕石で径6センチメートルから18センチメートル程度のものでなければならない。

第5節 そだ類

(そだ)

第27条 そだは、生雑木(針葉樹及び髄のあるものを除く。)の葉を除いたもので、その質強じん、細枝の繁茂したもので元口径3センチメートル以下、長さ2メートルから3メートルまでのものでなければならない。

(帯しょう)

第28条 帯しょう木質は、そだと同等とし、なるべく真直で小枝を除いた元口径2センチメートルから2.5センチメートルまでのもので、長さ3メートル以上のものでなければならない。

(柳そだ)

第29条 柳そだの長さは、60センチメートル以上、元口径2センチメートル内外の生木で末延びよいものを選ばなければならない。

第6節 コンクリート用材料

(セメント)

第30条 セメントは、JIS.R.5210の規格に適合したもので特に指定するもののほかは普通(ポルトラント)セメントを使用するものとする。

(セメントの貯蔵)

第31条 セメントの貯蔵は、次の各号によるものとする。

(1) 「セメント」は、地上30センチメートル以上に床をもつ防湿的な倉庫に貯蔵し検査に便利なように配置し入荷の順にこれを用いなければならない。

(2) 袋詰め「セメント」は、13袋以上積重ねてはならない。

(3) 貯蔵中に「セメント」にできたかたまりは、用いてはならない。

(4) 3箇月以上倉庫に貯蔵した袋詰め「セメント」又は湿気を受けた疑のある「セメント」は、これを用いるまえに試験を受けなければならない。その結果が所定の強度に達しない場合は、指示を受けた後でなければ使用してはならない。

(5) セメントは、使用の都度、その使用数量について認定を受けなければならない。

(細骨材)

第32条 細骨材は、標準ふるい5ミリメートルを全部通り大小粒が適度に混合しているもので、清浄・強硬・耐久的でごみ、どろ、有機物等の有害量を含んでいてはならない。

(粗骨材)

第33条 粗骨材は、標準ふるい5ミリメートルに全部とどまり最大粒度は使用する場合に適した粒度で大小粒が適度に混合するもので清浄・強硬・耐久的で、へん平又は細長い石片や、有機物等の有害量を含んでいてはならない。

(骨材の貯蔵)

第34条 骨材の貯蔵は、次の各号によるものとする。

(1) 細粗骨材、それぞれ別々に貯蔵し、ごみ、雑物等の混入を防がなければならない。

(2) 骨材は、表面水がなるべく一定となるように適当に貯蔵しなければならない。

(3) 粗骨材の取扱いに際しては、大小粒が分離しないようにしなければならない。

(4) 骨材は、氷雪の混入又は凍結を防ぐため適当な施設をして貯蔵しなければならない。

(5) 骨材は、暑中においては日光の直射を避けるため適当な施設をして貯蔵しなければならない。

(水)

第35条 水は、油、酸、塩類、糖類、有機物等コンクリートの強度に影響を及ぼす物質の有害量を含まないものとする。

(混和材)

第36条 混和材料(AE剤、フライアッシュ等)を用いる場合は、品質及び使用方法については、指示を受けなければならない。

第7節 鋼材及び金属製品

(鋼材)

第37条 鋼材は、JISG3.101一般構造用圧延鋼材SS41及びJISG3.104リベット用圧延鋼材SV34鋼材はJISG5.101S.C.46、鋳鉄はJIS5.501FC15、鍜鋼はJISG3.201.FS45、熔接構造用圧延鋼材はJISG3.106SM41の規格に適合したもので、傷、裂目その他有害な欠点があってはならない。ただし、特殊鋼材を用いる場合は、承認を受けなければならない。

(釘材及び線材)

第38条 鉄釘、洋釘、鉄線、亜鉛メッキ鉄線は、JISG3.501線材3種を使用して正確に製作したもので、焼鈍したものは使用してはならない。また皆折釘、カスガイ、ボールトはJIS.G3.505に規定する軟鋼より正確に製作したものでなければならない。

(鉄線籠)

第39条 素線は、JISG3.532の線材より伸線したもので形状正しく表面滑らかで不渡金、水泡状のふくれ、有害な傷、裂目、錆などの欠点なく品質均一なものでなければならない。

2 (骨線その他)

蓋輪・丸輪・中輪・角輪・骨線・縦線に使用する鉄線は、胴鋼用線よりも2番以上太いものでなければならない。

3 (詰石用、詰穴)

詰石用・詰穴は、鉄線蛇籠で長さ1メートルごとに、異形籠では適当なところに設けなければならない。

(ボールト及びナット等)

第40条 ボールト及びナットは、JIS.B1122の検査規格によるものとし、その長さは、頭部を除いた長さで、座鉄は、頭部、女ねじ部にそれぞれ1枚づつ使用するものとする。

第8節 舗装用材料

(骨材)

第41条 セメントコンクリート舗装用細粗骨材は、土木学会制定のコンクリート舗装標準示方書に適合するものとする。

(アスファルト)

第42条 アスファルトは、JIS2.207の規定によるものであって均質で水分を含まず175℃に加熱したとき泡立たないものであって、次の表の規格に合格しなければならない。

種類

針入度

軟化点

伸度

蒸発量

蒸発後の針入度

四塩化炭素可容分

引火点

0℃200g

60秒

25℃100g

5秒

46℃50g

5秒

10℃

15℃

25℃

0~60

 

40~60

 

40以上

50以上

100以上

0.5以上

70以上

99.5以上

230以上

60~80

 

60~80

 

100以上

80~100

 

80~100

 

100~120

100~120

35以上

100以上

210以上

120~150

120~150

150~200

150~200

200~300

200~300

30以上

200以上

スリヘリ量減量

呼び方

スリヘリ減量

ドバル試験機による場合

ロサンゼルス試験機による場合

1号

10以下

35以下

2

10〃

35〃

3

15〃

35〃

4

15〃

35〃

5

20〃

40〃

6

20〃

40〃

7

20〃

40〃

8

10〃

35〃

9

15〃

35〃

原石岩石(斉粒)

7〃

(3) 粒度は、次の範囲のものでなければならない。

呼び方

大きさの範囲

(mm)

フルイの通過量(%)

フルイの種類

90

80

60

40

30

20

10

5

2.5

1号

80~60

100

85~100

0~15

 

 

 

 

 

 

2

60~40

 

100

85~100

0~15

 

 

 

 

 

3

40~30

 

 

100

85~100

0~15

 

 

 

 

4

30~20

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

 

5

20~10

 

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

6

10~5

 

 

 

 

 

100

85~100

0~15

 

7

5~25

 

 

 

 

 

 

100

85~100

0~15

8

60~30

 

100

80~100

25~60

0~15

 

 

 

 

9

40~5

 

 

100

95~100

35~70

10~30

0~5

 

(道路用タール)

第43条 道路用タールは、コークス炉タール又は石岩ガス炉タールから製した20パーセント(重量)以上の他系アスファルト材料を含有しないものでJIS.K.2406規格に適合するものとする。

(砕石)

第44条 砂石は、材質粒度ともJISA5.001の規定によるものであって、玄武岩、安山岩、花崗岩、硬質砂岩又はこれらに準ずる石質を有する岩石、玉石を破砕したもので次の性質を有するものでなければならない。

(1) 砕石は、均等質であり清浄、強硬、耐久的でもろいへん平なもの又は細長いものを含んでいてはならない。

(2) 砕石の材質は、次のとおりとする。

比重 2.50以上 吸水量 3.0パーセント以下

(砂) アスファルト用

第45条 洗砂は、清浄なもので次の性質を有するものでなければならない。

(1) 材質堅硬で土芥その他有機物等の有害量を含んではならない。

(2) 粒度は、次の範囲のものでなければならない。

呼び方

フルイ通過(%)

フルイの種類(mm)

2.0

(10#)

0.40

(40#)

0.18

(80#)

0.075

(200#)

粗目砂

95~100

25~55

0~5

細目砂

100

25~55

0~8

洗砂

95~100

50~70

20~40

0~8

(3) 比重 2.5以上

(石粉)

第46条 石粉(填充石)は、石灰岩を粉砕したもので充分乾燥して固りがなく次の規格に適合しなければならない。

(1) 白色又は淡褐色で不純物を混入してはならない。

(2) 塩酸に不溶解の物質0~10パーセント

(3) 水分 1パーセント以下のもの

(4) 200℃加熱しても変質しないもの

(5) 比重 2.6以上のもの

(6) 粒度 0.40ミリメートル網(40#)フルイ通過100パーセント0.075ミリメートル網(200#)フルイ通過60パーセント以上

第9節 その他の材料

(生石灰)

第47条 生石灰は、混合物がなく純良で貯蔵中湿気に触れない清新なものでなければならない。

2 生石灰の貯蔵法は、セメントに準ずるものとする。

(二子なわ)

第48条 二子なわは、わら製品で長さ30メートル、重量0.7キログラム以上のものをもって1房とする。

(塗料)

第49条 塗料は、JIS規格によるものを標準とし、その材料及び配合については、あらかじめ承認を受けなければならない。

第3章 施工

第1節 土工

(盛土地盤の処理)

第50条 盛土の施工に先立って、その地盤にある竹木草根その他腐朽しやすいものは、取除き、傾斜した地盤は指示に従って階段を付し施工するものとする。

(盛土の土質)

第51条 盛土は、ごみその他有害な雑物を含まないもので相当の粘着力及び摩擦力をもつ土石又は岩石類を使用し、河川海岸堤防等にあっては、漏水をまねくが如き岩石類の使用をしてはならない。

(盛土の締固め)

第52条 盛土の1回のまき出し高は、土質に応じ監督員の指示に従い各層ごとに充分締め固め、転圧工法でするときは、別に指示する場合のほか、高さ30センチメートルごとに締め固めなければならない。

(構造物に接する盛土)

第53条 構造物に接する盛土は、それに危害を及ぼさないように土石類を投下することなく、締め固めながら順次盛り立てねばならない。

(余盛)

第54条 盛土は、しゅん功後の沈下を補充するために余盛を施さなければならない。

2 余盛の高さは、盛土及び地盤の土質又は高さに応じて指示するものとし、盛土の高さの1割をもって標準とする。

3 盛土の法面は、法尻から余盛天端に見透して盛り立てるものとする。

(採取、土捨場、残土処理)

第55条 盛土用の土砂を採取するときは、あらかじめ土取場を選定し、土取終了後の土取場は、監督員の指示に従い将来崩壊しないよう設備しなければならない。

2 捨土は、監督員の指示に従って所定の場所に処理し、土石の流出又は崩壊しないよう適当なる法覆工又は土留工を施行しなければならない。

3 残土処理については、指示されたとおり確実に施行し、治水その他影響を及ぼさないよう注意し、指定されてない残土の処分については、指示又は承認を受け無害地に捨てなければならない。

(芝工)

第56条 芝付は、盛土の法面に芝の成長に適した良質の土を用い、所定の厚さに心部盛土に従い並行に盛立て法高ごとに充分締固め法勾配に狂いのないようにしなければならない。芝の品種は、特に指示する場合のほかは、野芝とし雑草が交りやすいので短葉で茎及び根筋が良く繁茂するものでなければならない。

第2節 床堀工

(床堀一般)

第57条 床堀は、構造物の施工に差し支えないように、必要に応じて相当の土留工締切工又は箱わく等により所定の深さに掘り下げて底面をならし検査を受けなければならない。

(水替え)

第58条 床堀終了後構造物の築造は、完全に水替えして行い、もし水中作業を行う場合は、監督員の承認を得なければならない。

(埋戻し、残土処理)

第59条 土留工、締切工、箱枠等の仮設物は、構造物の施行後取り除き、所定の高さまで充分締め固めながら埋め戻さなければならない。なお残土は、支障のないように完全に処理しなければならない。

(埋戻し、コンクリート)

第60条 基礎が岩盤で余堀りの箇所が侵されるおそれがある場合は、埋戻しコンクリートを施さなければならない。

第3節 基礎工

(栗石工)

第61条 基礎栗石工は、所定の床堀を終わった後栗石に目つぶし砂利を加え充分締め固めながら所定の厚さに仕上げなければならない。

(胴木工)

第62条 胴木工は、所定の床堀を終わった後胴木をふせ、すき間に栗石を詰め込み目つぶし砂利を入れて充分締め固めなければならない。胴木及び梯子土台の継手は、25センチメートル相次ぎ継手とし、込栓又は打込みボールトで連結しなければならない。

(くい打工)

第63条 くいの長さ及び太さは、地質に応じて変更する場合があるから、沈下状況即ち錘の重量落下距離、くいの打止め沈下量等を記録し監督員の指示を受けなければならない。

2 くいは、指示する重量の錘を使用し、くいの先端は、末口径の1倍半程度尖らし所定の位置に正しく打ち込むものとし、その順序及び打止めの程度は、指示及び承認を受けなければならない。

3 くい頭は、必要に応じその破損を防ぐため鉄輪その他の保護処置を行わなければならない。

4 打込みに着手するくいは、必ず引き続き打ち込み、中断してはならない。

5 くい打を終え不同を生じたときは、承認を得て、木ぐいの場合は、くい頭を水平に切りそろえ、鉄筋コンクリートくいの場合は、そのくい頭を必要に応じ適当な長さだけ取り壊し、鉄筋は、折り曲げてコンクリート中に入れるものとする。

6 コンクリートくいは、特に指示しない限り製作済21日を経過しなければ移動してはならない。また製作後28日以上を経過しなければ使用してはならない。

(井筒工)

第64条 本条は、鉄筋コンクリート井筒の施行についての一般の標準を示したものであり、特殊のものについては、別に定めるものとする。

2 井筒の据付方法は、特に指定しない限り陸上据付法によるものとし、据付位置は、精密なる測量を行って定めなければならない。また施行中コンクリート打込みによる不等沈降が生じないように据付箇所は、充分平坦に仕上げなければならない。特に土質が軟弱なる場合は、砂又は砂利をもって置き替えるものとする。

3 製作については、1ロットの長さは、設計図に示されたものでなければならない。ただし、特別の理由ある場合は、承認を得て変更することができる。鉄筋コンクリートの施行については、特別の理由ある場合のほか、土木学会制定の鉄筋コンクリート標準示方書によらなければならない。

4 井筒の沈下方法は、特に定めない限り載荷法によるものとする。井筒は、ひび割れ、偏倚、傾斜を生じないように所定の地盤まで各ロットごとに沈下させなければならない。

5 井筒の載荷開始は、コンクリート打込後早強ポルトランドセメントを使用させる場合は5日、普通ポルトランドセメントを使用させる場合は14日以後とし、載荷に先立ち監督員の指示を受けなければならない。ただし、特別の理由ある場合は、日数を短縮することができる。また沈下開始は、早強ポルトランドセメントを使用させる場合は7日、普通ポルトランドセメントを使用させる場合は21日以後としなければならない。ただし、特別の理由ある場合は、日数を短縮することができる。

6 沈下荷重は、できる限り平均に載荷し傾斜を生じないようにしなければならない。沈下荷重は、設計書に記載したものを標準とする。記載のないとき及び特別の理由によりその量を変更するときは、指示を得なければならない。

7 井筒の沈下を促進するために井筒内の水替えを行う場合は、指示を受けなければならない。井筒傾斜のおそれある場合は、井筒内水替えを行ってはならない。

8 井筒底部でダイナマイトを爆発させ沈下を促進する方法は、原則として行ってはならない。ただし、特別の理由ある場合は、監督員の承認を得て行うことができる。この場合は、電気ハッパを使用し、井筒底部において行うものとする。

9 井筒の刃口掘りこしの高さは、井筒が不等沈下を生じない範囲で土質により定めなければならないがいかなる場合でも60センチメートルを超えてはならない。

10 井筒が所定の位置に沈下し、掘削作業を終了したときは、井筒に悪影響を及ぼさない程度のダイナマイトを井筒底部で爆発させ、井筒の安定を計らねばならない。ダイナマイト使用量、方法については、指示を受けなければならない。

11 井筒の中埋は、堪水式による場合は頂部コンクリート打ちに先立ち、内部に水を満たし、中埋に砂を用いる場合は水締施工をしなければならない。中埋コンクリートは、陸上施工を原則とする。

12 井筒が所定の位置に沈下したときは、原則的に載荷試験を行わなければならない。ただし、監督員がその必要を認めないときは、この限りでない。

13 井筒の底部コンクリート施行前に底部のゆるんだ土砂を浚渫しなければならない。土質軟弱なる場合には、底部コンクリート施工前に相当の厚さに栗石又は砂利を敷き並べるものとする。底部コンクリートは、水中施行を原則とするが、井筒内の湧水の水替えが打込みのコンクリートに影響を与えないときは、陸上施工を行うものとする。

14 水中コンクリートの施工方法については、指示を受けなければならない。水中コンクリートの施行後7日以上の経過を待ち、内部の水替えを行い施工状況の検査を受けなければならない。

第4節 石積・石張

(石積・石張)

第65条 築石の積方は谷積とし、すべて法勾配に直角に積上げなければならない。ただし、法高1.5メートル以下の石積、石張は、布積とすることができる。

2 強度を低下する次のような積み方をしてはならない。

4ツ巻・8ツ巻・4ツ目・通り目・芋継・浮石・拝石・重ね石・逆石・目違

3 築石の大きさが一定しない場合は、下部に大きいものを使用し、漸次上部に小さいものを使用して、大小の築石を混用してはならない。

4 石積、石張等において一部在石使用の場合は、検査のとき判然とするよう使用しなければならない。

5 練習の場合は、合端モルタル及び目地モルタルを用いてはならない。

6 雑割石及び割石の根石は、5角とし、谷積の天端石は、特に大なるものを選び石面5角とする。

7 間知石積は、合端のみ切仕上とし、全周囲は、充分接触させるようにしなければならない。

8 割石積及び張石は、玄翁合端摺合積とし、接触面は、周囲の3分の2以上、合端厚は、少なくとも石控の15分の1を密着するようにしなければならない。

9 雑割石積及び石張は、玄翁合摺合積とし、接触面は、周囲の3分の1以上、合端厚は、少なくとも石控の20分の1を密着するようにしなければならない。

10 野面石積及び石張は、法面より石控の3分の1以内の同一線中において接触させ、接触部は、玄翁瘤落しの上積立てなければならない。

11 胴込コンクリートを用いる石積、石張においては、築石に水を注ぎ土砂その他汚物を洗滌し、コンクリートは、鉄捧の類でつき固め、うら型枠は、原則として用い、各石の空隙がなくなるまで充分填充しなければならない。

なお、裏込栗石量を示すうら丁張をかけるものとする。

12 練石積及び練石張は、施工後数日間は、湿潤状態を保たせ、各期には凍結させないようにコンクリートの養生をしなければならない。

13 コンクリートを用いる石積、石張において据付完了の石に玄のうを使用したり、その上で加工する等総て衝撃を与えてはならない。

14 裏込栗石は、堅質で大きさ18センチメートル未満のものを大小混合して用い、所定の厚さに詰込まなければならないが、軟質又は偏平なものを使用してはならない。

(石羽口工)

第66条 石羽口工においても胴合せに注意し、その他すべて石張工に準じて施工しなければならない。

第5節 コンクリート工

(コンクリート工一般)

第67条 「コンクリート」は、所要の強度、耐久力、水密性等をもち、品質のばらつきの少ないものでなければならない。

(材料の計量方法)

第68条 材料の計量に先立ち、示方配合を現場配合に直さなければならない。

2 骨材の表面水量の試験は、JIS.A1111によるか又は監督員の指示する方法によらなければならない。

3 材料は、1練り分づつ計量し、「セメント」骨材は、別々に重量で計量しなければならない。ただし、承認を得た工事に限り配合が容積で表してあるときは、骨材は、容積で計上することができる。

(練り混ぜ)

第69条 「コンクリート」の練り混ぜは、「バッチ、ミキサ」を用いなければならない。

2 材料をミキサに投入するには、全部の材料を同時に均等に投入することを原則とする。ただし、水は、他材料より少し早く入れ始め、その速度を一定に保ち、他の材料を入れ終わった後少したって入れ終わるようにしなければならない。

3 「コンクリート」材料は、練り上がり「コンクリート」が「プラスチック」で均等質となるまで充分にこれを練り混ぜなければならない。

4 練り混ぜ時間は、「ミキサ」内に材料を全部投入した後、1分30秒以上としなければならない。混和材料を用いるときは前段よりいくぶん長くしなければならない。「ミキサ」の回転外周速度は、毎秒約1メートルを標準とする。

5 練り混ぜ時間が前項に示した所要の時間の3倍以上になった場合は、いったん「ミキサ」の運転を中止しなければならない。

6 「ミキサ」内の「コンクリート」を全部取り出したのちでなければ「ミキサ」内に新たに材料を投入してはならない。

7 「ミキサ」は、使用の前後に充分清掃しなければならない。

(手練り)

第70条 軽易な工事で承認を受けた場合は、手練りによることができる。

2 手練りは、水密性の練り台の上で行わなければならない。練り混ぜは、色合が一様でプラスチックで均等質となるまで継続しなければならない。

(練り返し)

第71条 コンクリートが固まり始めた場合は、これを練り返しても用いてはならない。

(「レデーミックストコンクリート」)

第72条 「レデーミックストコンクリート」を用いる場合は、JISA5.308の基準に適合するものでなければならない。

(準備工)

第73条 「コンクリート」打ちを開始しようとするときは、運搬装置の内部についている「コンクリート」及び雑物は充分に取り除かなければならない。

2 コンクリートを打ち込む前には、打込場所を清掃して雑物を除き、鉄筋は、正しい位置に固定し「コンクリート」が凍結するおそれがある場合のほか、せき板を充分にぬらさなければならない。ただし、鉄筋の配置その他については、打込み前に承認を受けなければならない。

3 「コンクリート」を打つときは、事前に「コンクリート」の中の「モルタル」と同程度の配合「モルタル」を敷くものとする。

4 床掘りの内の水は、打込み前にこれを除かなければならない。また床掘り内に流入する水が新しく打った「コンクリート」を洗わないように適当な方法で除水しておかなければならない。

(コンクリートの取扱い)

第74条 「コンクリート」の作業区画及び1作業区画内に「コンクリート」を打ち込む順序は、指示を受けなければならない。

2 「コンクリート」は、材料の分離及び損失を防ぐことができる方法で速やかに運搬し、直ちに打ち込まなければならない。特別の事情で直ちに打ち込むことができない場合でも、練り混ぜてから打ち終わるまでの時間は、温暖で乾燥しているときでも1時間低温で湿潤なときにおいても2時間を超えてはならない。この時間中「コンクリート」は日光、風雨等に対して保護し、相当の時間がたったものは、打ち込む前に水を加えないでこれを練り直さなければならない。少しでも固った「コンクリート」は、これを用いてはならない。

3 どんな運搬方法によっても、打ち込んだ「コンクリート」は、所要の品質のものでなければならない。

4 「コンクリート」は、型わく内に入れたのち再び移動させる必要がないように打ち込まなければならない。

5 「コンクリート」の運搬又は打込み中に材料の分離を認めたときは、練り直して均等質の「コンクリート」にしなければならない。

6 分離した粗骨材は、やわらかい「コンクリート」の中にこれを埋め込まなければならない。

7 「コンクリート」は、その表面が1区画内でほぼ水平となるようにこれを打たねばならない。コンクリートを打ち込むときの1層の高さについては、指示に従わなければならない。

8 型わくの高さが大きい場合には、材料の分離を防ぐため鉄筋又は型わくにコンクリートが付着硬化するのを防ぐため、型わくに投入口を設けるか又は適当な方法でコンクリートを打たなければならない。「コンクリート」は、一般に高さ1.5メートル以上の高さから投げおろしてはならないが、鉄筋「コンクリート」については、承認を受けなければならない。

9 打込み及び締固めの際「コンクリート」の上面に上昇してくる水をできるだけ少くするよう配合及び打込みの速度を調節しなければならない。

10 柱の場合は、管を用いるか又はその他適当な方法で柱断面の中央部にだけ「コンクリート」を打ち、その速度は30分につき高さ1メートルを標準としなければならない。

11 アーチのコンクリートは、監督員の指示に従ってセントルのくるいをなるべく小さくするようにこれを打たなければならない。

12 「コンクリート」の打込み中、表面に浮び出た水は、適当な方法で直ちにこれを除かなければならない。

13 1作業区間内の「コンクリート」は、これを完了するまで連続して打たなければならない。

(コンクリートの運搬)

第75条 手押車又は「トロ」を用いる場合には、「コンクリート」運搬中に材料分離がおこらないように平らな運搬路を設けなければならない。

2 自動車を用いる場合には、運搬中乾燥することがないよう適当な保護をし、荷おろしが容易なもので「コンクリート」の分離を防ぐような処置をしなければならない。

3 「コンクリートポンプ」を用いる場合、輸送管の配置その他については指示を受けなければならない。

4 「シュート」の管は、継ぎ合せてつくり、自由に曲がるようなものとし、鉄製又は鉄板張りで全長にわたってほぼ一様な傾きをもち、「コンクリート」が材料分離をおこさないものでなければならない。

5 「シュート」の吐き口には、長さ60センチメートル以上の鉛直な漏斗管をつけ、練台を設け、一応コンクリートをこれで受けたのち練り直して打たなければならない。また「シュート」は、その使用の前後に充分水で洗わなければならない。水洗に用いた水は型わく内に入れてはならない。

(「コンクリート」の締固め)

第76条 「コンクリート」は、打込み中及びその直後、突固め又は振動で充分これを締め固め、「コンクリート」が鉄筋の周囲型わくのすみずみに行き渡るようにしなければならない。「コンクリート」の行渡りが困難な箇所では「コンクリート」打ちの前に「コンクリート」中のモルタルと同程度の配合の「モルタル」を打つか又はその他適当な方法で「コンクリート」の行渡りを確実にしなければならない。

2 薄い壁又は型わくの構造上、型わく内での締固めが困難な処では、指示に従って型わく振動機を用いるか、又は打込み直後に型わくの外側を軽くたたいて「コンクリート」の落ち着きをよくしなければならない。

3 突固めによって「コンクリート」を打つ場合には、1層の高さは30センチメートル以下とする。

4 振動機を用いる場合は、「コンクリート」の配合、締め固める1層の高さ、振動時間、内部振動機でさし込み間隔等については指示を受けなければならないものとし、振動機は「コンクリート」からゆっくりこれを引き抜き、あとに穴が残らないようにしなければならない。

(「コンクリート」の打ちたし)

第77条 版又ははりと壁若しくは柱とが単体的に働くように設計されている場合は、壁又は柱の「コンクリート」の収縮及び沈下に備えるため、壁若しくは柱の「コンクリート」打込み後、4時間以上、単体的に働くように設計されていない場合は2時間以上たった後でなければ、版又ははりの「コンクリート」を打ってはならない。張出部分をもつ構造物の場合は、前段に準じて施工しなければならない。

(養生)

第78条 「コンクリート」打込み後、低温、急激な温度変化、乾燥、荷重、衝撃等の有害な影響を受けないよう充分にこれを養生しなければならない。

養生日数については、指示を受けなければならない。

2 「コンクリート」の露出面は、むしろ、布、砂等をぬらしたもので、これを覆うか、又は撒水して打込み後少なくとも7日間常に湿潤状態に保たなければならない。ただし、早強「ポルトランドセメント」を用いる場合には、少なくとも3日間湿潤状態に保たなければならない。せき板が乾燥するおそれのあるときは、これにも撒水しなければならない。湿潤養生方法については承認を受けなければならない。

3 膜養生を行う場合は、その材料及び使用方法については、承認を受けなければならない。

(打継目)

第79条 「コンクリート」の継目は、施工計画で定められた位置及び構造を厳守しなければならない。

2 新たに打継目を要する場合は、指示に従い、構造物の強度及外観を害しないようにその位置及び施工方法を定めなければならない。

3 水平な継手における「コンクリート」の表面は、「レイタンス」を除きこれを粗にしておかなければならない。必要のある場合には、ホゾ又はみぞを作るか打継目に適当に鋼材を差し込むかしなければならない。

4 硬化した「コンクリート」に新「コンクリート」を打ち継ぐ場合には、その打込みの前に、型わくを締め直し、硬化したコンクリートの表面を指示に従って処理し、ゆるんだ骨材粒、品質の悪いコンクリート、レイタンス、雑物等を完全に除き、表面を充分にぬらさなければならない。

次に、旧コンクリート面にセメントペースト又はコンクリート中のモルタルと同程度の配合のモルタルを塗りつけ、直ちにコンクリートを打ち、旧コンクリートと密着するように締め固めなければならない。

5 鉛直打継目の施工に当たり、旧コンクリートの打継面は、その表皮を除去するか、又はこれを粗にして充分に吸収させたのち、セメント、ペースト、モルタル等を塗るか、又は指示に従って処理したのち打継面に新コンクリートを打ち継がなければならない。新コンクリートの打継ぎに当たっては、適当な器具でスページーングをするか又は打動機を用いて新旧コンクリートを充分に密着するよう施工しなければならない。

6 「アーチ」の打継ぎは、「アーチ」軸に直角となるようにこれを設けなければならない。

アーチの幅が広いときは、指示に従ってスパン方向の鉛直打継目を設けることができる。

7 水密を要する「コンクリート」の打継目については、指示を受けなければならない。

(コンクリートの伸縮、滑面継目)

第80条 伸縮継目では、構造物の相接する両部を絶縁しなければならない。また必要に応じ承認を得た目地材を入れなければならない。

2 滑面継目における「コンクリート」の受け面は、平らに仕上げ硬化後指示に従って適当な絶縁材を置き、上部の「コンクリート」を打たなければならない。

(鉄筋加工)

第81条 鉄筋は、設計図に示された形状及び寸法に正しく一致するように、材質を害しない方法で加工しなければならない。

2 設計図書に示されていない場合において、鉄筋を曲げるときは、鉄筋でその径の1.5倍以上、折曲鉄筋の曲点では5倍以上、ラーメンすみの曲点では10倍以上の半径をもって、円形の型を使用しなければならない。

3 鉄筋を熱して加工するときは、その作業について承認を受けなければならない。

4 加工によってまっすぐにすることができないような鉄筋は、これを用いてはならない。

(鉄筋の組立て)

第82条 鉄筋は組み立てる前にこれを清掃し、浮きさび、その鉄筋と「コンクリート」との付着を害するおそれのあるものは、これを除かなければならない。

2 鉄筋は、正しい位置に配置し、コンクリートを打つときに動かないよう充分堅固に組み立て、「コンクリート」打込み前に検査を受けなければならない。鉄筋組立てに当たっては、必要に応じ適当な組立て用鉄筋を使用し、充分堅固になさなければならない。

3 鉄筋の交差点は、直径0.9ミリメートル以上の焼鈍鉄線又は適当な「クリップ」で堅結しなければならない。

4 鉄筋とせき板との間隔は、つり金物「モルタル」塊、鉄座等で正しく保たなければならない。

5 鉄筋を組み立ててから長時日たったときには、「コンクリート」打込み前に再び組立ての検査を受けて清掃しなければならない。

(鉄筋の継手)

第83条 引張鉄筋の継手は、なるべく避けなければならない。やむを得ず継手を設ける場合は、指示を受けなければならない。

引張鉄筋の継手は、1断面に集めないように相互にずらさなければならない。応力の大きい部分には継手を設けてはならない。

2 引張鉄筋の重ね継手では、鉄筋の先端を円形フックに曲げ、その径の30倍以上を重ね合せて、径0.9ミリメートル以上の焼鈍鉄線で数箇所を緊結しなければならない。

3 引張鉄筋に熔接継手を使用するときの効率は、確実に100パーセント以上であることの承認を得た方法を用い、必要に応じ、適当な付加鉄筋を併用しなければならない。

付加鉄筋の長さは、その径の80倍以上とし両端はフックを受けないものとする。

4 将来の継ぎたしのために、構造物から露出しておく鉄筋は、損傷、腐しょく等を受けないようにこれを保護しなければならない。

(型わく)

第84条 型わくは、設計図書に示されたコンクリート部材の位置、形状及び寸法に正しく一致させ、堅固にして荷重、乾湿、振動機の影響等によって狂いがおこらない構造としなければならない。

2 型わくは、容易に、安全に、これを取り外すことができせき板又は「パネル」の継目は、なるべく鉛直又は水平とし「モルタル」の漏れない構造としなければならない。

3 木材のせき板には、死節その他の欠点のないものを用い、「コンクリート」露出面に接する表面は、平に仕上げなければならない。

4 せき板は、再び使用する前に、コンクリートに接する面を清掃しなければならない。

5 せき板を締め付けるには、「ボールト」又は棒鋼を使用し、これらの締付け材は、型わくを取り外したのち、コンクリートの表面から内へ2.5センチメートル以下の距離に残しておいてはならない。鉄線を締付け材として使用する場合は、承認を受けなければならない。

6 特に指定のない場合でも、型わくのすみには、適当な面取り材を取り付けなければならない。

7 せき板内面に塗布する材料は、汚色を残さない鉱油又はその他承認を受けたものでなければならない。

塗布作業は、鉄筋を配置する前に、無筋コンクリートにおいては、コンクリートを打つ前に行わなければならない。

(支保工)

第85条 支保工は、充分な支持力をもつ構造で支柱は、沈下又は変形をしないようにしなければならない。

2 重要な構造物の支保工にあっては、その構造について承認を受けなければならない。

(型わくの取り外し)

第86条 型わくは、コンクリートにその自重及びその上にのる荷重を受けるに必要な強度に達するまで取り外してはならない。

2 型わく全体を同時に取り外さないで、比較的荷重を受けない部分をまづ取り外し、その後残りの重要な部分を取り外すものとする。

3 型わくの取り外しは、構造物に衝撃及び振動を与えないように静かに行わなければならない。

4 型わくの取り外しの時期及び順序については、その都度指示を受けなければならない。

(表面仕上げ)

第87条 露出面となるコンクリートは、完全なモルタルの表面がえられるように打ち込み、締め固めなければならない。

2 コンクリートの表面にできた出っ張り、すじ等はこれを除いて平らにし豆板、欠け箇所等は、その不完全な部分を取り除いて水でぬらした後、適当な配合のコンクリート又はモルタルの吹付け又は「パッチング」をして平らに仕上げなければならない。

3 締固め終わりは、ほぼ所定の高さ及び形にならし、コンクリートの上面は、しみでた水がなくなるか又は上面の水を処理した後でなければこれを仕上げてはならない。仕上げは、水ごてを用い、仕上げ作業は適度にならないようにしなければならない。

4 なめらかで密実な表面を必要とする場合には、作業が可能な範囲でできるだけ、遅い時期にかなごてで強い力を加えてコンクリート上面を仕上げなければならない。

(モルタル仕上げ)

第88条 モルタル塗り仕上げをする場合は、コンクリート打込み後1時間以内にコンクリート表面にモルタル塗り、ならさなければならない。

2 相当硬化したコンクリート表面にモルタル塗り仕上げをするときは、表面をのみ、又は適当な工具で粗にし、水で充分にぬらしたのち「セメントペースト」を薄く塗り付け、直ちに「モルタル」を塗りならし、適当な養生をしなければならない。

(寒中コンクリート)

第89条 寒中コンクリート施工をするときは、指示又は承認を受けなければならない。

2 コンクリート単位水量は、コンクリートが凍結するおそれ及び凍害を防ぐためできるだけ少くしなければならない。

3 コンクリートの温度は、打込みのとき10度以上なければならない。

4 材料は、凍結しているか又は氷雪の混入している骨材は、そのまま用いてはならない。

5 コンクリート打込みの場合、鉄筋、型わく等に氷雪が付着していてはならない。また地盤が凍結している場合には、これを溶かしたのちでなければコンクリートを打つことができない。

6 打継目の旧コンクリートが凍結している場合は、適当な方法でとかし、第80条の方法でコンクリートを打ち継がなければならない。

7 コンクリートは打込み後、凍結しないよう充分に保護しなければならない。ただし、保温養生する場合は、指示を受けなければならない。

8 凍結によって害を受けたコンクリートは、これを除かなければならない。

(暑中コンクリート)

第90条 長時間炎熱にさらされた「セメント」骨材は、そのまま使用してはならない。

2 水は、できるだけ低温のものを用い、打込み「コンクリート」の温度は、30度以下(舗装工事にあっては25度以下)でなければならない。

3 コンクリートを打ち始めるまえに、型わく、鉄筋、岩盤、わりぐり基礎等は、充分にこれをぬらさなければならない。また熱せられた地盤その他の上に「コンクリート」を打ってはならない。

4 コンクリート打ちを終わるか、又は施工を一時中止したときには、コンクリートを直ちに保護し、日光の直射を避け、表面を湿潤に保つようにしなければならない。

(水中コンクリート)

第91条 水中コンクリートの施行方法については、承認を受けなければならない。

(プレパクトコンクリート)

第92条 プレパクトコンクリートの施工方法については、承認を受けなければならない。

(海水の作用を受けるコンクリート)

第93条 海水の作用を受けるコンクリートの施工については、承認を受けなければならない。

(粗石、玉石コンクリート)

第94条 粗石、玉石は、埋め込む前に水で洗わなければならない。

2 粗石、玉石はコンクリート打込み中順次にこれを配置し、上部にコンクリートを打ったのち、周囲を締め固めて完全に埋め込まなければならない。

3 粗石、玉石相互の間隔及び粗石、玉石とコンクリート面との距離は、粗骨材の最大寸法に3センチメートルを加えた寸法以上を標準とするが、その間隔は配合比により異なるので指示を受けなければならない。

4 水平打継目には、石くさびを設けなければならない。

石くさびとして用いる粗石、玉石は、その体積の約半分が新コンクリートで包まれるように出しておかなければならない。

(土木学会示方書の適用)

第95条 この節に示していない事項については、土木学会コンクリート示方書に従い指示を受けるものとする。

第6節 コンクリート舗装工

(路床工)

第96条 路床に芝草、木の枝、木株等腐りやすいものを含むとき、又は路床面から15センチメートル以内の深さに岩塊、職石等がある場合には、これらを取り除き周囲と同じ材料で埋め戻して充分締め固め、検査を受けなければならない。

2 路床は、雨水及び地下水の影響を減ずる様排水に注意しなければならない。

3 暗渠、溝等の埋戻しは最も沈下しやすいから、埋戻の種類及び締固めを充分考慮し、できるだけ粒状のものをえらび、20センチメートル以下の層ごとにランマー又はローラーで仕上げしなければならない。

4 砂利道、砕石道、旧舗装道等の旧路面を利用するときは、所定の形状に均質に不陸整正をし、一様の支持力を持つようにしなければならない。

5 路床輾圧後の支持力比(C・B・R)は5パーセント以上、30センチメートル径平板載荷試験を行った場合はK30=9Kg/cm3以上とする。

(路盤工)

第97条 路盤材料は、各層を厚さ10センチメートル程度に敷きならし、必要に応じ撒水し、適当な含水量で10トン以上のマガダムローラー又は同等以上の効果のあるローラーによって、路盤が所要支持力を得られるまで締め固めなければならない。

2 路盤材料として2種以上の材料を混合して用いる場合には、適当な機械で均等質になるまで混合しなければならない。

3 路盤と「コンクリート」版下面との摩擦抵抗を減ずるために砂を用いる場合には、特に指定のない限りその厚さは2センチメートル以下とし、充分締め固めなければならない。

4 路盤高の高低についての誤差は、高い場合には5ミリメートル、低い場合には10ミリメートルを超えてはならない。

5 路盤面が仕上ったときは、仕上り検査を受け、検査合格後でなければコンクリートを打ち込んではならない。また霜がおりたり凍結したりしている路盤に「コンクリート」を打ち込んではならない。

6 路盤支持力係数は、径75センチメートルの載荷板を使用する場合は7kg/cm3以上とする。径30センチメートルの載荷板を使用する場合は、15.4kg/cm3以上とする。

(舗装版工)

第98条 舗装版の縦横断勾配、目地配置等の諸形状は、設計書及び図面に示されたとおり施工するものとする。

2 コンクリート舗装版の材令28日における圧縮強度及び曲げ強度は次の値とする。

圧縮強度 280kg/cm2以上

曲げ強度 40kg/cm2以上

(配合)

第99条 コンクリートの配合は、所要の品質作業に適するウォーカビリチー及びフィニッシャビリチーをその範囲内で、単位水量をできるだけ少くするようこれを定めなければならない。

2 単位水量は、160キログラム以下を標準とするが、作業ができる範囲内で、できるだけ少なくなるよう試験によって定めねばならない。

3 単位セメント量は、260~330キログラムを標準とし、所要の品質に応ずるようこれを定めなければならない。

4 粗骨材の最大寸法は、50ミリメートル以下でコンクリート版の最少厚さの4分の1を超えてはならない。

5 コンクリートの打込場所におけるスランプは、2.5センチメートル以下とする。

6 絶対細骨材率は、所要のウォーカビリチー及びフィニッシャビリチーがえられる範囲内で単位水量が最少になるよう試験によってこれを定めなければならない。

7 混和剤、溶液は、1練り分づつ計量しなければならない。計量の誤差は、1回計量分量の1パーセント以内でなければならない。

8 混和剤、溶液は、使用水に加えて用いるものとする。

(練り混ぜ及び運搬)

第100条 コンクリート練り混ぜ及び運搬は、第69条第74条第75条各条を適用する。

(コンクリートの打込締固め及び表面仕上げ)

第101条 コンクリート打込み前に路盤仕上げの検査を設けなければならない。

2 コンクリートの打込み前には、路盤紙を敷くか又はあらかじめ路盤に適当に撒水して、コンクリートに悪影響を及ぼさないようにしめらかさなければならない。ただし、打込み直前に撒水してはいけない。

3 型枠は、ピン等で正しく路盤上に固定し、フィニッシャーの通過タンパーの打撃、締固め等のための施行中に狂わないようにしなければならない。

4 膨脹目地、収縮目地等の位置は、あらかじめ測量して型枠に標示しておかなければならない。

5 型枠の継目は、目地位置から1メートル以上離して設けなければならない。

6 練り混ぜてから仕上までの時間は、1時間を超えてはならない。

7 型枠及び目地の付近には、特に注意して締め固めなければならない。スリップパー、タイバー等のあるところは、バーが正しい位置を保つように注意しながら棒状バイブレーターで入念に締め固めなければならない。

8 コンクリートの締め固めには、必ずバイブレーターを使用しなければならない。

9 設計図に示された目地の間にて打込みを中止してはならない。

10 バイブレーターの故障等のために工程に追われて締固めが不充分になるとか又は不能になるおそれがあるときは、直ちにコンクリートの練り混ぜを中止し敷均されたコンクリートは充分に締め固めるよう処置しなければならない。

11 仕上げは、縦横断定規を用いて、規定の断面に整正の上、テンプレートタンパで荒仕上げをなしフロートで表面を入念に均さなければならない。

12 コンクリート面の水光りが消えるのを待って、ベルト及びホーキで最後の仕上げを行わねばならない。

13 仕上げ作業が終わったら、直ちに検査を受けなければならない。3メートルにつき5ミリメートル以上の凸凹があってはならない。それ以上あるときは、削りとるか補充するかして再仕上をしなければならない。

(目地工)

第102条 目地アスファルトマスチック注入前に充分清掃しなければならない。

2 目地の配置構造は、設計書又は設計図に定められたとおりでなければならない。

3 縦横目地と舗装版の両端は、目地コテで半径5ミリメートル程度で正しく面取りをなし、相接する舗装版の表面は、同じ高さになるようにし、その差は、3ミリメートル以上あってはならない。

4 横目地は、舗装の全幅にわたって通さなければならない。

5 膨脹目地の目地板は、中心線及び路面に直角で、一直線におかなければならない。

6 舗装板の中にマンホールその他の構造物がある場合は、それらの構造物と舗装版を垂直に絶縁して施工し、絶縁のために塗るアスファルトはむらなく一様に薄く塗布すること。

7 「スリップバー」及び「タイバー」は定められた位置に正しく設置し、かつ、コンクリートの付着をよくするようにしなければならない。

(養生)

第103条 養生については、第78条各項を適用する。

(土木学会示方書の適用)

第104条 この節に示してない事項については、土木学会コンクリート舗装標準示方書によるものとする。

第7節 アスファルト舗装工

(路床及路盤工)

第105条 路床及び路盤工は、「コンクリート」舗装に準じて行わければならないが、路盤の表面はなるべく乾燥させ、その支持力係数は径75センチメートルの載荷板を使用する場合は13kg/cm2以上とする。

(資材の加熱準備)

第106条 「アスファルトコンクリート」及び中間層に用いられる骨材は、ドライヤーから取出したとき110度~165度の温度に加熱されたものでなければならない。

2 「トペカ」、「シートアスファルト」の表層に用いられる骨材は135度~165度の温度に加熱しなくてはならない。ただし、165度を絶対に超えてはならない。

3 「マカダミックス」式の混合物を作る場合は、骨材は10度~50度の温度にしなければならない。

(アスファルト材料の準備)

第107条 「アスファルトセメント」及びカットバックアスファルトJIS.K2.207の温度を標準とするが、施工に際しては指示を受けなければならない。

(混合)

第108条 アスファルトプラントは、乾燥機、篩、骨材貯槽、アスファルト溶解槽、秤量器、温度計及び混合機等を備えたものでなければならない。

2 シートアスファルトは砂及び石粉を、アスファルトコンクリートは砕石、砂及び石粉を混合機に投入した後溶解したアスファルトを加え、均一なる混合物となるまで完全に混合しなければならない。

3 混合物の温度は、110度~165度でなければならない。

(運搬)

第109条 混合物の運搬は、適当な保温装置を有する運搬車により敏速に舗設作業の進行に応じ過不足なきよう間断なく行わなければならない。

2 運搬車は、あらかじめ内部を清掃し、その内面を重油をもって拭い、混合物の取卸しを容易にしなければならない。

3 混合物は、運搬中、天候の状況に応じて帆布類をもって被覆し、その温度は、現場到着の際、120度以下に低下せしめてはならない。

(アスファルトコンクリートの舗設)

第110条 混合物の舗設は、気象条件のよいときにのみ行い、乾燥した基礎面を清掃した後施工しなければならない。

2 本舗装と縁石、境界石その他路面に露出する構造物との接触面は、清掃の後、アスファルトを薄く塗布しなければならない。

3 舗設は、機械仕上げを原則とし設計書に指定された方法によらなければならない。特に指定しないとき又やむを得ない場合は、承認を受けて手打仕上げをすることができる。

4 舗設に用いる工具は、適当に加熱の上使用しなければならない。

5 混合物を手打仕上げする場合は、直接舗設箇所に卸すことなく、作業に支障のない箇所に鉄板を置き、その上に取り卸した後ショベルをもって切り返し、迅速に舗設箇所に敷き均さなければならない。

6 敷き均しを終わった後直ちにレーキをもって混合物を掻きゆるめ、その密度、粗細骨材の分布及び舗装の厚さを均一ならしめるよう全面一揃に掻き均さなければならない。

7 下層を置く場合は、同日中に表層を舗設しなければならない。

雨天等のため表層舗設を終わらなかった場合は、下層の充分乾燥するのを待って表面を清掃した後、表層を舗設しなければならない。

(シートアスファルトの舗設)

第111条 混合物の舗設は、あらかじめ乾燥した基礎面を清掃したのち施工しなければならない。

2 混合物舗設に当たっては、まづ中間層を舗設したのち表層を施工し、同日中に表層仕上げを行うものとする。ただし、降雨その他やむをえない事故により表層舗設を完了しないときは、中間層が充分乾燥するのを待って清掃し表層を仕上げなければならない。

3 舗設作業完了後、表層が冷却し、適当に硬化しするまで一般交通を禁止しなければならない。

(輾圧)

第112条 舗設作業の終わった箇所は、適当な温度(夏期90度・冬期110度)になるのを待って直ちに8トン以上のローラーをもって輾圧を開始し、ローラーの跡が完全に消え、充分締まるまで輾圧しなければならない。なお、露出構造物に接する箇所は、輾圧前にあらかじめ鉄製タンパーで充分突き固めておかねばならない。

2 ローラーは、機能の完全なものを使用し、殊に後退するときは衝撃なく連行できるようになっていなければならない。

3 輾圧の速度は混合物を移動せしめない程度(毎時1.5~3.0キロメートル)とし輾圧開始後仕上げを終わるまでに連続的に全面一様に輾圧しなければならない。

4 ローラーで輾圧できない箇所は、鉄製タンパーで充分突き固めをしてからスムーザーで丁寧に仕上げを行わなければならない。

5 輾圧は、まず道路中心線に平行に路側より開始し、漸次中央に及ぼし、全面一様に行わねばならない。

6 各回の輾圧は、最初は1回ごとに前に輾圧した幅の上に後輪の幅の約半分を重ねてゆくようにし、2回目からは、逐次その重ねを多くするようにしなければならない。

7 ローラーの方向転換は、輾圧区域外で行わなければならない。

8 輾圧を終えた仕上り面は、長さ3メートルの直線定規を道路の方向に平行に置いたとき、5ミリメートル以上の凸凹があってはならない。

(シールコート)

第113条 粗粒式アスファルトコンクリートは、特に設計に示す時以外は輾圧仕上が終った後、表面を清掃の上シールコートを施行しなければならない。

2 シールコートは、溶解したアスファルトをスプレーヤーの類をもって均一に撒布の上直ちに清浄で乾燥した骨材(荒目砂又は砕石屑)を撒布し、箒の類をもって掃き均した後、ローラーにて輾圧し骨材を定着せしめなければならない。

第8節 根固工

(柵工)

第114条 柵工の帯梢は、2本又は3本をもって1かきとし、1かきごとに交互にかきつけ、両端は、容易に解けないように下部に差し込み、木たこ又は掛矢をもって充分打ち下げて仕上げなければならない。

2 柵工及び詰杭工の詰石は、前面又は上面はなるべく大型のものを選び、両端小口は張り立てて、仕上げなければならない。

(連柴工)

第115条 連柴は、単床の長さ、幅より各6センチメートル位長く造り、粗だの中より最も長く細枝の多いものを選び、梢を必ず一方に向け、鳥の羽重ねるとし、その径は本末ともに大小なく、太さは特に指定された外は径を15センチメートルとし、所定の鉄線又はしゅろなわ若しくは二子なわで、緊結するものとする。

2 鉄線を使用する場合は、必ず「ペンチ」を用い、結び目長6センチメートル以上を残し、5ねじり以上とし、端は連柴内に曲げ込むものとする。

3 しゅろなわ及び二子なわの結び方は、輪結びの上男結びとし、穂先は6センチメートル以上としなければならない。

(沈床、単床工)

第116条 沈床、単床の敷きそだは、梢を河心及び下流端の方向に70~80センチメートル突き出さなければならない。

2 沈床、単床工で水面上で組み立てることが困難であるときは、近くの陸地で組み立てた後、水面に浮かして現場に運び、沈下位置を定め沈石(重石)を周囲に充分乗せ沈下させた後、中央部に残りの重石を沈石するものとする。

なお、沈設に当たってはあらかじめ地盤こしらえを行い、不陸のないようにしなければならない。

(木工沈床工)

第117条 木工沈床工は、方格の仕組を陸上において完全にし、ボールト孔を作り現場において完全に組立てができるようにしなければならない。

2 木工沈床の上部並木の方向は、水制、床止、水叩工では流水に直角、護岸根固め導水堤にあっては並行するように布設しなければならない。

3 木工沈床の上部張石の合端の間げきには、指示に従い、目つぶしを施工するものとする。

4 木床にコンクリートブロックを施工するときは、釣込み据付けを原則として監督員の承認を得なければ現場打ちをすることはできない。ブロック上部の稜面は面取りをしなければならない。

(枠類)

第118条 沈枠及び続枠を護岸根固に使用する場合は、敷成木の方向は水流に直角とし、目元口を河心に向け又水制に使用する場合は河心に並行とし、目元口を上流に向け施工しなければならない。

2 枠内詰石は、ごぼ立とし、表面は、大石にて張り立なければならない。

(ふとんかご工)

第119条 ふとんかご工は丁張にならい、床ごしらえの上布設し、側面は、はみ出さないよう注意して充分石詰めをし、表面は比較的大きな石をもって鏡張りとし、口止めは2ねじりとしなければならない。

(鉄線蛇籠工)

第120条 床ごしらえの上、伏込み、籠目正しくその両端は固く編み止めとし、詰め石は、差石をしてはならない。

2 施工地盤は、泥土又は腐蝕を誘導する土質であるときは、必ず下敷厚15センチメートル以上の栗石、砂利、切込砂利、砂等をもって入替えをしなければならない。

3 中詰栗石は、堅質であって、経は網目以上とし、周囲に大きいものを用い籠目より抜け出さないよう充分詰め合わさなければならない。

(十字ブロック工)

第121条 ブロックは、床堀り検査を受けたのち据付け、ブロック相互の連結は、特に注意して施上し、ブロックを現場打ちにしないものは、製作後28日を経過したものでなければ使用してはならない。

第9節 法おおい工

(法おおい工)

第122条 石詰法枠工を盛土面に使用する場合は、特に充分突き固めて床拵を厳重にしなければならない。

2 コンクリートブロック張りは、張石に準じて施工しなければならない。

3 栗石、粗朶工の施工は、中埋栗石はごぼう張りにしなければならない。

4 柳枝工は、砂利を充分填充し、柳の生育したもので施工しなければならない。

5 石羽口工は、合端が一線上にならないように施工し、間詰めを充分突き固めなければならない。

第10節 ずい道工

(掘削工)

第123条 掘削は、地質に応じて適当な支保工を施し、導杭及び各部切拡箇所の距離を考慮して、巻立工を遅らせないよう順序よく施工しなければならない。

2 掘削中は、杭内排水及び換気に注意し、延長の長いずい道等で換気不良な場合は、相当の換気施設をしなければならない。

3 掘削の仕上面は、所定断面に一致するように覆工背面に空隙を生じないように切崩しに注意し、表面を切均して仕上げなければならない。

4 巻立を施工する場合の掘削面は、所定の巻立厚の場所打ちコンクリートを施工し得る断面でなければならないが、多少の凹凸はあってもよい。その限度は監督員の指示を受けなければならない。

(支保工)

第124条 支保工には、皮はぎ生松丸太材を用いることを原則とするが、他の材料を用いる場合は監督員の承認を受けなければならない。

2 矢板の背面と地山との間に空隙のあるときは、岩片等で完全にこれを填充しなければならない。

3 支保工用材は、覆工施工の際之を除去しなければならない。ただし、除去するのを不利と認めた場合は、監督員の指示を受けて、これを存置させることができる。

(巻立工)

第125条 巻立背部に空隙を生じた場合には、監督員の指示に従ってコンクリート又は岩片等で完全にこれを填充しなければならない。

2 施行中わき水のある場合には、モルタルを流出させないように相当の防水処理を講じてアーチ背部の湧水はずい道下部に導き、適当な箇所に排水孔を設けなければならない。

3 逆巻きの場合、アーチコンクリートの施工に当たってその支承面の必要に応じて不陸のないように砂又は小砂利を敷き均し、敷板を施さなければならない。側壁コンクリート打込みの際、アーチと側壁との継目は、監督員の指示に従い、小部分を残しておき、そのコンクリートが硬化した後、その部分に硬練りモルタルを丁寧に詰込まなければならない。

4 アーチのある場合には、その施工を終った後は岩片又は砂利等で施工基面まで跡埋をしなければならない。

第11節 橋りょう工

(木橋)

第126条 木材部は、一般の工法により施工し、丸太を除くほかは、かんな削りとする。

2 高欄材の見え掛りは、仕上げかんな削りとし、敷板は、年輪の外層を表にし、鋸すり合とし密接に張らなければならない。

3 並木は、元口、末口を交互に敷き並べ充分密接するよう付合せ、小口はのこ切揃とするものとする。ただし、密接させるためのこ切形を入れてはならない。

4 桁材の太りの大きいものは、末口に合せ太こ落とし、桁の上面を揃え桁掛りの所で桁の一部を極端に欠いてはならない。

5 木材部の締付ボールトは、充分締め付け、成工時に更に締め直しをしなければならない。又木材の締付に木材のパッキンを使用してはならない。

6 橋名は、道路の起点から終点に向って、右が漢字橋名、左が河川名、終点から起点に向って右が平仮名橋名、左が架設年月日を表すものとする。

(鉄筋コンクリート橋)

第127条 鉄筋コンクリート橋は、土木学会制定鉄筋コンクリート示方書によるものとする。

(鋼橋)

第128条 鋼橋については特に指定するもののほかは、鋼道路設計示方書及び製作示方書(鋼道路橋設計示方書作成委員会制定)によるものとし、設計図書に明示しない部分及び部材の寸法変更等については、承認を受けなければならない。

(P・S・コンクリート橋)

第129条 P・S・コンクリート橋については、特に指定するもののほかは、プレストレス、コンクリート施工指針(土木学会制定)によるものとし、設計図書に明示してない部分は承認を受けなければならない。

第12節 えん堤及び床留工

(基礎及び床堀り)

第130条 基礎根入り及び袖の施工は、地質に応じて決定されるから、床堀りの進むに従って監督員の指示を求めなければならない。

2 床堀りは、掘越しをしないように注意し、設計基礎高の近くでは火薬類を使用してはならない。掘越した場合は、監督員の指示により躯体と同質のコンクリートで所定の高さまで填充しなければならない。

3 床堀土砂は、えん堤地点の上流側のそで裏又は流出のおそれのない所へ処理しなければならない。

4 えん堤地点のすぐ下流部の河床で材料を採取してはならない。

5 基礎地盤のしん透水又は湧水は、監督員の指示に従って適当な設備をして堤体外へ誘導しなければならない。

(えん堤工及び床留工)

第131条 えん堤床留工の躯体、水叩き、垂直壁及び側壁は、各々一体とならぬよう別々に施工しなければならない。

2 コンクリート打込み前に岩盤及び打継面を完全に清掃して、厚さ2センチメートル程度のモルタルを敷かなければならない。

3 えん堤、水通部の施工に当たっては、天端石、すみ石等は良質にして控長の大きいのを選び充分にすり合せ、念入りに仕上げなければならない。天端をコンクリート仕上にする場合は、富配合にしなければならない。

4 コンクリート打継目は、監督員の指示に従い、上下流の打継目を同一平面とすることを避けて、階段式とするか又は凹凸状としなければならない。

5 基礎及び両岸はめ入れ箇所に生じた躯体との間隙は、速やかに埋め戻して石積玉石コンクリート等をもって充分締め固めなければならない。

6 水叩きの打継ぎは、垂直打継ぎとし、水平打継ぎとしてはならない。

第13節 港湾工

(捨石工)

第132条 捨石工は、内部には比較的小さい石を、表面の被ふくには比較的大石を用い、所定の位置に施工しなければならない。

2 法面(斜面)及び上面は、監督員の指示により、かみ合せを良くし、所定の計画高に仕上げなければならない。

(方かい工及び函かい工)

第133条 方かい及びかんかいの製作は、あらかじめ設備した作業場で行い、運搬方法は、監督員の指示によらなければならない。

2 かんかいのえい航には、水密で堅固なふたを取り付け、気象状況及び船舶の航行には特に注意しなければならない。

3 方かいの据付けには、特に目地に注意して施工しなければならない。

4 方かい及びかんかいの据付けは、凹凸なく基礎拵の後正確に所定の位置に施工しなければならない。

(けい船柱工)

第134条 鉄筋コンクリートけい船柱は、基礎ごしらえの上鉄筋を組み立てて監督員の検査を受けた後設工しなければならない。

2 中詰コンクリート又はモルタルを使用するけい船柱は、鉄筋の移動及び間隙のないようにてん充口より丁寧にてん充し必要な時間保護装置をしておかねばならない。

3 鉄鋼製のけい船柱には、さび止め塗装を施さなければならない。

(防げん工)

第135条 防げん材に使用する木材は、所定の乾燥材を全面荒かんな削りをしてクレオソートで処理したものでなければならない。

2 取付けボールトの頭部には、マスチックを填充しなければならない。

3 取付けボールト金具は、使用前にさび止めをしなければならない。

4 取付異型ボールト及びボールト被ふく管は、コンクリートを打つとき移動しないようにあらかじめ所定の位置に挿入しておかなければならない。

5 特殊防げん材を使用する場合は、監督員の指示によらなければならない。

(しゅんせつ工)

第136条 工事着手前に図面に基づいて、ペンキ標柱等を用いてしゅんせつ区域を標示して、合せて見通し竿、量水標等を立ててしゅんせつの計画断面、深さ等の基準として、しゅん功までその標示を明らかにしておかなければならない。

2 しゅんせつ土砂は、指定の箇所へ運搬しその処分方法及び順序等は、監督員の指示によらなければならない。

津奈木町土木工事仕様書

 種別なし

(平成2年1月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章
沿革情報
種別なし